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離婚に合意した相手方と離婚条件を話し合う必要がある方へ

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

決めておくべき7つのこと

1 親権(子どもがいる場合)

夫婦間で離婚の合意ができている場合,離婚届を提出することで離婚が成立します。ですが,この際,未成年の子どもがいる場合,夫婦間でどちらが子どもの親権者となるかを決めなければ離婚届の提出ができません。
親権とは,子の身上監護(身の回りの世話や教育等)と財産管理(子ども名義の財産の管理や子供が契約を行うときに代理人になる)を行う,親の権利義務です。
未成年の子どもがいる場合,離婚後はどちらか一方の親しか親権者になれません。このため,離婚前に親権者を決めて離婚届に記入する必要があります。また,子どもが複数いる場合には,子どもごとに親権者を決めることになります。
このため,未成年の子どもがいる場合には,まずは親権者を決めるということが1つめのポイントとなります。

2 面会交流(子どもがいる場合)

未成年の子どもがいる場合,離婚後,親権者または監護者にならなかった一方の親が,子どもと交流することです。
子どもと面会したり,子どもを自宅に宿泊させたりする直接交流のほか,手紙やメール,プレゼントのやりとり等の間接交流もこれに含まれます。
また,離婚前の別居中でも面会交流を行う権利は発生するため,交流の日時や頻度,一回の交流時間や元夫婦間の連絡手段等の協議が必要です。

3 養育費(子どもがいる場合)

養育費とは,未成年の子どもが生活するために必要な一切の費用(衣食住にかかる費用,学費,娯楽費,医療費,お小遣い等)のことです。そのような子どもにかかる費用を負担してもらうことは子どもの権利であり,これを負担することは親の義務です。
子どもが後々不自由な思いをしないためにも,離婚に際しては,養育費をしっかりと決めておくことが大切です。

4 財産分与

婚姻中に築き上げた共有財産を公平に分配する「財産分与」です。
財産分与の対象は次のような財産です。

  1. 共有財産:共有名義のマイホーム,タンス貯金やへそくり,結婚後に購入した家財道具等結婚後に夫婦が協力して築いた共有名義の財産
  2. 実質的共有財産:預貯金,株,不動産,自動車など,結婚後に夫婦が協力して築いた財産ではあるが,一方の単独名義のもの

※ただし,結婚前の預貯金や婚姻期間中であっても親から相続した財産は,特有財産であり,財産分与の対象とはなりません。

割合は?

基本的には2分の1ずつとなることが多いですが,これ以外の割合になることもあれば,慰謝料を含む形で,より多い金額となることもあります。

注意点

財産分与の請求は,離婚成立後2年以内と決められており,また一度書面で請求権を破棄してしまうと離婚後に請求できなくなってしまいます。よって,財産分与に関しては離婚時に決めておいた方がよいでしょう。

5 慰謝料

配偶者の不倫や暴力といった不法行為が離婚の原因である場合,相手方である配偶者に慰謝料を請求することができます。
慰謝料は,離婚後も3年間は請求することができますが,離婚後時間を経過してしまった場合には証拠の収集が難しくなる可能性もありますし,後々争いにならないためにも,離婚時に決めておくのが良いでしょう。

6 年金分割

厚生年金や共済年金の標準報酬(年金額を計算する際の基準となるもの)の分割を請求することができます。

7 婚姻費用

これは,直接的な離婚条件ではありませんが,離婚前に別居をする場合,離婚成立までの期間の生活費について,収入の少ない方が,多い方に対して請求することができます。離婚が成立するまでの生活のため,別居が先行する場合には,婚姻費用についても協議をしておく必要があるでしょう。

本記事では,夫婦間で離婚に合意できている場合でも,離婚条件の話し合いにおいて弁護士に依頼すべき理由を解説いたします。

弁護士に依頼すべきケース

離婚条件について,夫婦間の話し合いで解決できればベストですが,次のとおりそれが困難なケースがあります。

① 相手が感情的になり,話が出来ない/話をしたくない。または,相手があなたの話を全て全否定する,全く取り合わない等,対等に話し合いができないケース

相手が感情的になっていたり,DVやモラハラの傾向がある相手の場合,話し合いができない,あるいは一方的に相手に有利に話し合いを進められてしまい,当方に不利な条件で離婚を成立させられてしまうリスクがあります。
このような場合は,交渉のプロである弁護士に依頼して,正当な条件交渉をしてもらうのが良いでしょう。

② 収入・財産関係が複雑な場合。特に不動産や株が絡むケース

自宅等の不動産をどちらかの単独名義あるいは共有名義で所有している場合,財産分与の方法は少々複雑になります。
不動産にはローンが残っていることがあり,その場合は,ローンの支払義務は名義人にありますが,他方が連帯保証人になっているケースもあります。このような場合には,売却しローンをなくしてしまう等の対応が考えられますが,その過程で,夫婦がそれぞれ行った査定金額に差がある等のトラブルが多々見受けられます。
不動産の査定額についてはローンがない場合であっても,分与の対象財産がいくらなのかを評価する上で必要であり,トラブルになりがちです。
このように,財産分与で話し合いが難航しそうな場合,弁護士に相談することで適切な財産分与の計算や必要な証拠について助言が得られるため解決に効果的です。
双方が離婚に合意できているからこそ,弁護士等専門家を介して協議をすることで,公平かつお互いが納得した離婚条件で,早期の離婚を成立させることが可能になります。

その他のメリット

さらに,弁護士に離婚条件の協議を依頼することで次のようなメリットがあります。

(1) 交渉のプロである弁護士に,離婚条件の交渉を任せられる

離婚条件の話し合いも交渉ですから,自分に有利に進めるためには,納得できない要求を安易に受け入れないこと,また,自分の要求についてはきちんとした(法的)根拠を持って主張をしていくことが重要になります。弁護士は交渉のプロであり,これらのことを得意としていますので,弁護士に依頼することで,交渉を有利に進めることができるでしょう。
また,弁護士の取り扱い分野は多岐にわたるため,離婚条件の交渉について弁護士への依頼を決めた際は,弁護士の中でも,特に離婚を得意とする弁護士に依頼するのが良いでしょう。

(2) 離婚条件に関する書面(公正証書)の作成

弁護士に依頼するもう一つのメリットとして,合意した離婚条件を書面に残す際,法的助言を得られる点です。
この点,合意した離婚条件を「公正証書」として書面に残し,「強制執行」が可能となる文言を入れておくことで,離婚後に相手が慰謝料や養育費を支払わない場合に,裁判を起こさなくても,相手の財産を差し押さえて支払いを受けられるようになります。そのような書面作成の際に,どのような条文を入れておけばご自身の目的を達成できるのか,弁護士の助言を得たり,あるいは,弁護士に条文を作成してもらう等することで,将来のトラブルを極力回避できるのです。

最後に

夫婦間で離婚の合意ができているケースは,離婚することは前提となっているのですから,離婚条件さえ後悔のないものにすることができれば,お互い納得の上で,将来に遺恨を残さない形で終わることができます。

専門家である弁護士に依頼することで,公平な離婚条件でお互い納得感のある,早期解決が可能となりますし,また,有利に交渉を進めることができるのです。

また,離婚条件を書面に残すこと,離婚後の言った言わないのトラブルを防ぐサポートができるため,新しい生活を安心してスタートさせることができます。

離婚に合意した相手との離婚条件の交渉についてお悩みの方は,是非弁護士にご相談ください!

執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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