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DV(家庭内暴力)

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結婚前には優しかったのに,結婚後,気に入らないとすぐに暴力を振るったり,暴言を吐いたりする人がいます。離婚の相談に来られる方の中には,一定数家庭内暴力に苦しんでいる方がおられ,女性の被害者のみならず,男性が被害を受けている場合もあります。DV(ドメスティックバイオレンス,家庭内暴力)は,離婚原因としては決して珍しいものではないのです。

DVは,家族内という閉ざされた人間関係の中で行われるため,外部からは極めてわかりづらくなっており,従来は,犯罪として発覚することは少なかったのですが,DV防止法の制定・改正により,「暴力は家庭内であってもいかなる場合も許されない」という考えが広がってきており,配偶者暴力支援センターや警察などが対応に当たっています。

DVの種類

DVには,身体的暴力の他,精神的暴力(日常的な暴言,無視,狂言自殺等),性暴力,経済的暴力(必要な生活費を渡さない,配偶者に仕事を辞めさせる,お金の使途を全て細かく監視する等),社会的隔離(外出を禁止する,親族や友達との連絡を禁止する,メールや電話の中身を執拗にチェックしようとする等)などがあります。被害を受けている方の中でも,身体的暴力を受けている場合には認識しやすいものの,精神的暴力(社会的隔離を含む)は被害者でさえ,DVとは気が付かずに我慢を重ねていることが,多々あります。
自分自身が家庭内暴力を受けていることに気がつかないケースもありますので,少しでももしかしたらと感じた方は,ご相談いただければと思います。
また,身体的暴力が特に切迫している場合(病院に行く必要があるほどの怪我をする様な暴力)には,一刻も早く,加害者から離れることが最優先です。そのため,別居をするなどして,直接は接触しないようにしたうえで,離婚等の手続きを進めていくことが重要となります。

DV被害者の心理

DV被害を受けている多くの女性は,暴力を振るわれている最中は恐怖を感じているものの,「これは本来の彼ではない。今が異常なだけであって,本来は優しい人なの」と思ってしまいがちです。DV加害者もずっと暴力を振るっているわけではなく,暴力を振るった後,突然優しい言葉をかけたり,プレゼントを買ってきたり,泣いて謝ったりすることが多いのです。このような状態のことを一般に,安定期(ハネムーン期)といいますが,その状態にある男性を本来の「彼」だと思ってしまうのです。
アメとムチではないですが,暴力への恐怖と,ハネムーン期の優しさによる精神的な安定が交互にやってきて,被害者にも精神的な依存状態(共依存)が発生しがちです。また,逃げることの出来ない状態により,無力感に囚われ,暴力から解放されることを諦めるようになってしまいます。
そのため,「私が耐えればいい」「どうやっても無理だ」という心理に陥ります。被害者が暴力を避けるために言いなりになっていたとしても,加害者はまた暴力を振るい始めるので,悪循環に陥ってしまうのです。

DVへの対処

先でも述べましたが,まずは身の安全の確保が第一です。
一刻も早く別居するなどして物理的に加害者から離れましょう。その上で,あざやキズの写真を撮る,医師の診断書をもらうなどして記録を残しましょう。DVは慰謝料請求の理由となりますし,警察へ届け出る場合にもそれらの証拠は重要となります。

DVの場合は加害者との直接の接触を避けた方が良いと言う事情がありますので,離婚の手続をご本人で進めていくことはなかなか難しいと思われます。
そのような場合,一人で悩まずに,弁護士にご相談いただければと思います。

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執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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