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銀行員の離婚問題の特徴とは?財産分与・退職金・養育費の注意点と弁護士に相談するメリット

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

配偶者が銀行員(またはご自身が銀行員)である場合、一般的なサラリーマンの離婚とは異なる特有の法的な問題や複雑な財産調査が生じます。

本記事では、銀行員の離婚問題における特徴や主な争点、財産分与(退職金・有価証券・生命保険)、養育費の算定、そして弁護士に相談するメリットについて詳しく解説します。

 

1.銀行員の離婚問題の特徴

銀行員は、高い社会的信用や特殊な給与体系、福利厚生を有しているケースが多く見られます。そのため、離婚の際には以下のような特徴が生じます。

(1)財産の透明性と複雑性

金融機関勤務という性質上、給与口座や預貯金、投資用口座、などを複数保有しているケースが多く、加えて、職場の財形預金や持ち株を保有していることもあるので、財産分与の対象が多岐にわたります。

また、資産運用に対するリテラシーの高さゆえに、有価証券や投資性金融商品が複雑に入り組んでいる傾向があります。

(2)キャリアや社会的体面への配慮

職場への影響や行内での立場、コンプライアンス上の観点を考慮し、長期化する裁判よりも、周囲に知られずに代理人を立てた交渉や調停での円満・秘密裏な解決を強く望む傾向が見られます。

(3)将来の退職金や資産の大きさ

一般的な企業に比べて退職金の見込み額が極めて高額になりやすく、財産分与の総額を大きく釣り上げる要因となるため、金額をめぐって激しい争いに発展しやすくなります。

 

2.銀行員の離婚問題の主な争点

銀行員の離婚において、特にトラブルになりやすい主な争点は以下の通りです。

(1)財産分与の範囲と評価

自宅不動産や預貯金だけでなく、複雑な有価証券、生命保険の解約返戻金、そして将来受給予定の巨額な退職金など、すべての資産を網羅的に把握し、正確な評価額を算出することが大きな争点となります。

(2)婚姻費用と養育費の金額

一般的な「養育費・婚姻費用算定表」の上限(給与所得者の場合はおおむね年収2,000万円)を超える高収入であるケースが多く、その場合の算定方法や個別事情をどのように反映させるかが問題となります。

(3)その他

そのほか、多忙による家庭内のすれ違いや、不貞行為などが原因である場合の慰謝料の成否に加え、高収入を背景とした養育環境について双方の主張が対立します。

 

3.財産分与に関する注意点

離婚時の財産分与では、夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産が対象となります。銀行員特有の資産については、それぞれ以下のような点に注意が必要です。

(1)退職金

銀行員にとって退職金は非常に大きなウェイトを占めます。

  • 退職金は財産分与の対象になるか?

退職金は「将来受け取る賃金の後払い」としての性格を持つため、婚姻期間に対応する部分について財産分与の対象となります。

  • すでに退職している場合 vs まだ在職中の場合:

すでに退職して受け取っている場合はその金額が対象ですが、まだ在職中の場合は「離婚時に自己都合退職した場合の退職金」を基準に計算することが一般的です。将来の退職金については、支給の確実性や退職までの年数などを考慮して減額調整されることもあります。

(2)有価証券

先にも述べたとおり、資産運用として株式、投資信託、国債などを保有しているケースも少なくありません。

  • 評価のタイミング

有価証券の価値は日々変動するため、原則として「別居時」または「口頭弁論終結時(事実審の事実審理終結時)」の時価を基準に評価します。

  • 名義と隠匿のリスク

配偶者名義の口座であっても婚姻期間中に築いた資産であれば分与対象となります。財産隠しを防ぐためにも、早めに証券口座の資料などを確保することが重要です。

(3)生命保険

積立型の生命保険や個人年金保険には「解約返戻金」が存在します。

離婚時に保険を解約しなくても、その時点での解約返戻金の価値を算出し、現金と同等の財産として分与の対象に含めます。学資保険についても、子どもの名義であっても実質的な拠出が夫婦の共有財産からなされている場合は分与の対象となり得ます。

 

4.婚姻費用と養育費(算定表の上限を超える場合)

裁判所の「養育費・婚姻費用算定表」は、原則として義務者(収入が多い側)の年収が給与所得者の場合は2,000万円(自営業者の場合は1,400万円)程度を上限として作成されています。

銀行員のなかでも一定程度の役職についており、かつ、副業や資産運用による配当収入がある場合、この上限を超えるケースが珍しくありません。

算定表の頭打ちを超える場合、裁判実務では単純に上限額で固定されるわけではなく、以下のようなアプローチで算定されることが多くあります。

(1)統計データや実収入に基づく個別調整:

高収入者の場合、生活費が年収に比例して無限に増えるわけではないという前提に立ち、総務省の家計調査などの統計データを参考にしながら、実際の生活水準に応じた基礎収入割合の修正などを検討します。

(2)実際の生活費や教育費の積み上げ主張:

私立学校の学費や高度な習い事、これまでのライフスタイルにかかっていた具体的な支出データを精査し、子どもの養育に必要な「現実的な費用」を個別具体的に主張・立証して適正な分担額を導き出します。

 

5.銀行員の離婚問題を弁護士に相談するメリット

銀行員の離婚問題は、専門的な資産評価や複雑な収入計算が絡むため、当事者間での話し合いが難航しがちです。弁護士に依頼することで、以下のような大きなメリットがあります。

(1)適正な財産調査と漏れのない資産把握

退職金見込額の計算、複数にわたる金融資産・有価証券の評価など、専門知識を要する財産分与を正確に行えます。

(2)高収入・算定表上限超えへの法的対応:

算定表の枠を超えた婚姻費用や養育費の交渉において、過去の裁判例に基づいた論理的な主張を展開できます。

(3)プライバシーへの配慮と代理交渉:

相手方との直接の連絡や交渉を弁護士がすべて代理するため、精神的な負担が大幅に軽減され、職場や周囲に知られずスムーズに手続きを進めることが可能です。

 

6.銀行員の離婚問題なら当事務所へご相談ください

銀行員の離婚では、退職金や有価証券の評価、高額な収入に基づく養育費の算出など、高度な専門知識と緻密な交渉力が求められます。見通しを誤ると、本来得られるべき財産を受け取れなくなったり、不利な条件で合意してしまったりするリスクがあります。

晴星法律事務所では、複雑な資産背景を持つ離婚事件の解決実績が豊富にございます。依頼者様のこれからの生活と権利を守るため、状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。

「適正な財産分与の額を知りたい」「養育費の金額で折り合いがつかない」などでお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所の初回相談をご利用ください。

執筆者情報

下川絵美(広島弁護士会)
下川絵美(広島弁護士会)
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